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チュー学生日記 (セラフィンコミックス)

単行本情報

感想・レビュー

岡田コウさんの2冊目の単行本。
1冊目の『恋するぱんつ』はイマイチエロくなくてちょっとガッカリな出来だった。
でも今回の『チュー学生日記』はエロさが増してるらしい。
早速読んでみると、確かにエロさは増している、かな?

まず最初の『ぬくもりを』シリーズ。
大体この本の半分ぐらいのページを占めてる。
内容はありがちな先生と生徒2人のエロ。
詳しく書こうと思ってたけど、普通としか言いようがない……
別段秀でた点があるわけでもないし、変に拘った点があるわけでもない。
いたって普通のエロ漫画。
まぁこれはこれで安心?できるかも。

次は『なかよしこよし』
これもふつー。

で、次がちょっと普通とは違うかな。
ある意味この本の目玉というか『寝取られ』っぽいものがあるんだよね。
『メジルシ 前編・後編』がそうなんだけど、すごく中途半端。
『秘め事』っていう後日談?も合わせると、この本の約半分を占めてる。
このシリーズは正直ハズレ。

寝取られっていうのは自分のことを好きな子がいかに他の男に靡くかが重要だろう。
彼女の心理描写と少しずつずれる二人の関係が後の寝取られを盛り上げるはず。
彼氏と彼女の視点が半分ずつぐらいが良い寝取られだと思う。
日常は彼女の視点で彼女と他の男がセックスしているときは彼氏の視点、とかさ。

岡田コウさんの描いているのは単純に『流されやすい子』で寝取られっぽくない。
しかもほとんど女の子の視点だから寝取られで重要な『裏切られている感』がゼロ。
寝取られっていうのはあくまで『男が』女を取られるっていうこと。
女が快楽に流される様子より、彼女を取られた男の心理描写がメインであってほしい。
こんな中途半端なものならただの陵辱のほうがよっぽどエロいんじゃないかな。
『兄妹+寝取られ』っていうのは自分の超ストライクゾーンだけど全く興奮できなかった。
カバー裏のコメントによると編集さんと話し合ってこの本に入れたらしい。
編集さんも止めろよ……
調べてもわからなかったけど岡田コウさんって女性だろうなぁ。

純愛メインの中に寝取られを一つだけ混ぜるみたいな中途半端なことが一番嫌い。
今回はダメな寝取られだったから構わないけど、良い寝取られだったら純愛が吹き飛んでしまう。
何を描くのかはどうでもいいから単行本をちゃんとジャンル毎に出して欲しい。

そうそう、言い忘れてた。
岡田コウさんの描くキャラクターは、全く、全然、見分けが付きません。
展開も似たようなのが多くて女の子の名前も中々出てこないから、いざ名前が出てきて
「これってあの漫画の続きじゃなかったの?!」
みたいなことが『恋するぱんつ』ではひどかった。
今回はほぼシリーズもので占めてるからまだマシだけど、全然見分けは付かない。
せめてちょっとぐらいは見分けがつくようにしてくれ。

あとこの人の微鬱?エロ漫画は少しだけ関谷あさみさんの漫画に似ている。
ストーリーも女の子も絵も。(絵は最近ちょっと変わってきたかも)
でも決定的な違いがあって、それは男の気持ちを描いているかどうか。
この違いがあるから関谷あさみさんの漫画の方が数倍エロくておもしろい。
さらに人間性というか、しっかり考えて行動してるのが関谷あさみさんの描く女の子。
岡田コウさんの描く女の子は何考えてんのかわかんないし自己陶酔しすぎ。
あと服や小物の書き込みとかも関谷あさみさんのほうが断然上。
大まかなものは似ているかもしれないけど細部へのこだわりが全然違うんだよね。
そこらへんを考えれば岡田コウさんの漫画ももっとエロくなる、はず。
おそらくセンスの問題だから出来ない人は一生出来ないだろうけど。

次の単行本はちゃんと一つのジャンルに絞って出して欲しい。

※追記:付属していた特典小冊子について
エロ要素は一切無し。
『チュー学生日記』に出てくる女の子たちの後日談的な?
特に何かあるわけでもなく、全然おもしろくない。
やっぱりこの人の描くキャラクターは人物そのものに魅力がないなぁ。
少なくとも男性向けではないね。